あにろっくのブログ

誰かの明日への生きる力になれたらと思います。いやまじめか!

映画『すずめの戸締り』を観て※ネタバレあります。

昨日、新海誠監督の映画、『すずめの戸締り』を観てきた。観る前のイメージは、またなんか『君の名は。』みたいな作品かなと思っていたのだが。『天気の子』もそうであるが、災害をテーマにいずれも作られている。今回はより東日本大震災と向き合った作品であることは間違いない。ヒロインの岩戸鈴芽(いわとすずめ)母の妹、叔母の環(たまき)と二人暮らし。登校中に美しい青年、草太(そうた)と出会うことから始まる。草太は廃墟を探しているという。気になる鈴芽は登校せずに、山の旧温泉街の廃墟に向かう。そこで不思議な扉を見つける開くと扉の向こうにはきれいな景色が。入ろうとするが入れない。何かにつまずく。つまずいた土偶のようなものを引き抜くと、それがダイジンという猫に変化する。怖くなって学校へ。昼休みに友達と話している緊急地震速報とともに揺れる。外を見ると山から不気味な煙のような巨大な何かが立ち昇る。もしかしたらという不安から、再び廃墟へ。そこで草太に再会する。草太は開いている扉から勢いよく飛び出している煙のようなものを閉じ込めようとしているが失敗する。そこへ鈴芽が手伝い扉を草太が持っている鍵で施錠する。草太は代々続く「閉じ師」の後継者。祖父は入院している。けがをした草太を鈴芽が家に連れていき、そこへ猫のダイジンがやってきて、草太を呪いにかけ3本脚の椅子にしてしまう。3本脚の椅子は母が誕生日に作ってくれた椅子だ。唯一の形見である。ダイジンは外へ逃げる。三本脚の椅子、草太が追うも逃げられてしまう。SNSではダイジンの写真と目撃情報が相次いで投稿される。ダイジンを捕まえて呪いを解くために、地元の九州からフェリーに乗って四国へ。そこで同い年の女子高生に出会う。そこでも再び彼女が昔通っていたという廃校になった学校の扉からミミズのような煙が。椅子になった草太の代わりに今度は鈴芽が扉を閉めて封印する。出会った女子高生は旅館でアルバイトをしているのでそこへ泊めてもらう。朝起きてテレビのニュースを見ると再びダイジンの姿が。別れを告げ、ヒッチハイクで神戸へ向かう。そこではやはり廃墟となっている遊園地の観覧車からミミズが。このミミズが地面に落ちると大きな地震が発生してしまう。一度、鈴芽が昔の思い出に惑わされてしまうものの、何とか草太の助けを借りて封印に成功する。鈴芽が引き抜いてしまった土偶のようなものが地震をミミズの強大な力の抑止力となっていた要石(かなめいし)だったのだ。ここではヒッチハイクをしているときに車に乗せてくれたスナック従業員の2人の子持ちの女性に泊めてもらう。

以上もう眠くなったので書くのをやめるが、感想としてはかなりトラウマな内容となっている。東日本大震災で家族や親友を亡くされている方が観るのには大変辛いものがある。私は東北出身であるので思い出すと今でも胸が苦しくなる。また作品中、何度も緊急地震速報のアラームが鳴る描写もちょっとしんどい。観るには覚悟がいる。いつかは乗り越えなくてはならないよねって言っているようだ。観客の受け取り方は観客の数だけある。ひとそれぞれ。わたしは震災で近い人を亡くしているわけではないけれど、それでもしんどい。よくぞ描いてくれたという人もいると思う。でも実際あの時は放射線が怖くて、家から1週間出られなかったり、換気も怖くてできなかったり、そのせいで子供がハウスダストでアレルギーになったり、揺れに敏感になったり、あらゆるデマ、火事場泥棒、津波で家が流される映像、繰り返されるCMなど。精神的にきつかった。でもこういう体験をしたから次の世代に伝えられる。記憶は消えていくが作品は形として残る。この作品を見るたびに震災の記憶を都度よみがえらせて防災に役立てていければ幸いだ。そういう面ではアニメというオブラートが良い役割をしているのだと思う。