あにろっくのブログ

誰かの明日への生きる力になれたらと思います。いやまじめか!

『ハケンアニメ!』を観て

 ネトフリで『ハケンアニメ!』を観た。本当は映画館で観たかった作品。新着情報で知った。内容は何となく想像がついたのだが、それを軽く超えてきた。てっきり『SHIROBAKO』のようなものを想像していたからだ。

エンドロールで知ることになるのだが、原作は辻村深月。キャストは吉岡里帆(斎藤瞳 )、新人アニメ監督。柄本佑(行城理)はトウケイ動画のチーフプロデューサー。中村倫也演じるのは伝説の天才アニメ監督、王子千晴。王子を支えるスタジオえっじチーフプロデューサーの尾野真千子(有科香屋子)。

同クールで放送されるトウケイ動画の『サウンドバック』通称サバクとスタジオえっじの作品『運命戦線リデルライト』の「覇権」を争う内容となっている。天才の苦悩と新人の成長を描きながら、今のアニメ業界の現状を踏まえつつ、売れるアニメを作るのかそれとも自分の作りたいアニメを残すのかを観ている者に考えさせる作品。

 観終えてふと思い出されたのは、幼いころに見た『ウルトラマン』最後ウルトラマンゼットンにやられてしまう。アニメや特撮の最後を覚えているのは数少ない。その中でも『ウルトラマン』は私にとっていちばん記憶に残っている作品だ。子供の時分にとっては衝撃的というかショックだった。大人になって『ウルトラマン』の最後はあれでよかったんだなと今なら納得がいく。だから『シン・ウルトラマン』も観ることができ、再び楽しむことができたのだから。

 最近のアニメの劇場版やアニメ作品を観て思う。なぜ声優に彼・彼女を抜擢するのか?それは何億というカネが動いている。アニメーション会社が脱税して追徴課税を受ける。労働時間の問題や熱狂的なアニメファンのアンチコメントなど、たかがアニメとは言えなくなっている。声優もスキャンダルが出ればあっという間に叩かれる。商業主義的なアニメ作品が出てしまうのもやむを得ないのである。しかしながら、アニメが好きな人は知っている。行城の「10年後も語り継がれる作品を……」というセリフは本当にしびれた。誰かが理想を語らなければ創作という世界は救われないのだ。